
↑スワン・ヒルにて折り返し待ちのV/Lineメルボルン行きの列車。この先にも線路は続いているのですが、旅客列車はここまで。
通常はこのブログ、鉄道写真1枚+コメントというパターンですが、
ブロークン・ヒル行きに関しては、旅行記にてご紹介します。
今後、行かれる方への道しるべになれればと思いまして。
シドニーには、1月から約2カ月滞在しましたが、
シドニーは森に囲まれた街なので、
乾いた大陸オーストラリアをしっかりと見てみたいと思い、
オーストラリア滞在のフィナーレを飾る場所は、
ブロークン・ヒルに定めました。
アウトバックと呼ばれる、オーストラリアの荒野を見たいというのが動機です。
メルボルンも綺麗な街だから、訪れたいし…
ということで、フライトは1週間ほど遅らせて、
目的地はブロークン・ヒルとメルボルンの2都市に定めました。
メルボルンは、他の方達もたくさんお訪れていらっしゃって、
Webにも情報が溢れているので、省略します。
とうことで、メルボルンからブロークン・ヒルを目指します。
距離を調べると、ざっと840km。
いやー遠いなぁ。オーストラリアの地図見ると、
ちょこっと移動したら行けそうなんですけど…
鉄道ファンとしては列車で行きたいのですが、
ブロークン・ヒルへ達する列車は、週1便シドニーからです。
あとは、ツアー列車のインディアン・パシフィック号。
前者は、タイミングが合わず断念。
後者は、新型コロナウイルスの影響で運休中。
しかも、もし走っていたとしても、
ツアー列車化されてからは、とんでもなくお高く。
ちょっと遠慮させていただきますっていうレベル。
しかも、先のWeb予約を見ていても、
ブロークン・ヒルで旅行を終了しますっていうプランはない模様。
840km全行程レンタカーもありだけど、
慣れない異国でできれば、あまり運転したくない。
特に交通量の多い、都会は避けたい。
ということから、
840kmの行程を、鉄道とレンタカーとを使って走りぬける行程を、
考えついたのです。
どちらにしろ、ブロークン・ヒルでは車借りないと、不便そうでしたから。
という訳で、
メルボルン・サザン・クロス駅7:39発のスワン・ヒル行き列車に乗車。
ビクトリア州の長距離列車V/Lineの列車旅が始まりました。
終点スワン・ヒルまで約5時間。
列車は徐々にメルボルン郊外へと抜けていきます。
こちらの動画は、メルボルンを出て1時間半ほど
丘陵地帯を走り抜けていきます。
朝の時間帯、
夜行性のカンガルーがひょいとこちらを向いているのも見えました。
そろそろ、お休みタイムなんでしょうか?
そしてメルボルンから、2時間半ほどでベンディゴに到着。

ここは列車乗車のちょうど中間地点。
ここからさらに北上します。
ベンディゴを出てしばらくすると、
見えてきました。まっ平らな牧草地。
実はこの風景を見るのは人生2回目。
30年前の初めての海外旅行は、なんとこの付近だったのです。
場所は先ほどのベンディゴから東方面へ別路線が分岐して行ったのですが、
その終点がエチューカという町。
その周辺への訪問というのが人生初の海外旅行で、
このまっ平ら、かつ道路もまっすぐという異国の風景を見て、
感激していたのです。(その時は現実的にオール車移動でしたが…)
走りに、走ってたどりエチューカへ着いた、さらに先、
ブロークン・ヒルという「壊れた丘」とかいうイカれた名前の町が、
内陸にあるというのに気づき、
しかも大陸横断鉄道の主要駅。
なんだか、その頃からなんとなく
ブロークン・ヒルが気になっていたのですね。
この30年、無意識にも、この町を目指していたのかもしれません。
時間も11時をまわり、車窓もあまり変わらないので、
車内の売店で昼食を購入して、
座席で昼食。

ミートパイを注文。
レンチンで温めてくれる代物なので、レストランやベーカリーのそれよりは、
味は落ちますが、まずまずでした。
そうこうしていると、車窓にだだっ広いぶどう畑が広がり始め、
乾燥した風景から、すこし水分のある緑の風景に変わってくると、
スワン・ヒル駅に12:25到着。
僅かに遅延ですが、海外ではほぼほぼ定刻とうことで。

このスワン・ヒル。
オーストラリア大陸最長の川マレー川のほとりの町で、
マレー川クルーズの拠点にもなっている町です。
それよりも、まずはレンタカーを借りに、
ハーツのレンタカーショップを目指します。
ここで問題があるのは分かっていました。
ショップまで1.7km。
スーツケースも抱えているので、
可能性低いかもしれないけど、
タクシーが駅前に止まってれば乗ろうかとも思ってましたが、
こんなオーストラリアの田舎町。
そんな期待は儚く消え。
写真を撮影して駅を出ると、
ミルデューラ行きのV/Line連絡バスが待機している以外は、
人気も無く…
Uber呼ぶにも、ここのところ、なぜか支払いでエラーが出てしまい、呼べないし…
(まずこの町にUberやっている人が居るかも不明ですしね。)
まぁ歩くかぁ。
と、とぼとぼ約20分ほど歩いてショップまで行くことに。
着いてみると自動車修理工場が、ハーツレンタカーの代理店として、
営業しているお店でした。
どうりて、不便なところに訳だ。
向こうの事情で、
予約していたよりも大きな車になって、
いよいよ車で出発!
と、その前にせっかく来たのだから、マレーリバーだけでも拝んでいこうと、
やって来ました。

これが、でっかーいオーストラリア大陸の最長を誇るマレー川。
川幅せまっ。
ここは、全長2500kmほどあるマレー川の中流域にあたります。
いかにオーストラリアが乾燥した大陸かっていうのも、
こんなところで気づかされます。
実はこの川は州境を兼ねていまして、
向こう岸はニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州なのです。
この後のドライブの行程半分ほどは、
このマレー川沿いに走って行くので、今いるビクトリア州とを、
行ったり来たりする行程の予定です。
このマレー川、自然のままゆったりと流れるので、
蛇行し放題。
車の車窓から常に川が見えるわけでもなく、
たまに思い出したように姿を現し、
そのたびに、「オー」っと言ってしまうのでした。
北に向かうにつれて、少しずつ川幅も広くなり、
マレー川とお別れしたミルデューラの町を流れる様子は、
それなりの大河となっていました。
話は戻り、このスワン・ヒルからブロークン・ヒルまでの、
2ヒル間は約510km。
まだ半分来てないので、そこから先は車で頑張らないといけません。
日本でも車を所有していない人間なので、
たまにハンドルを握ると緊張します。
最初は慎重に運転していましたが、
ひたすら直線に近い道をひた走るのは、それほど難しくなく、
だんだんと余裕が出てきました。
人っ子一人いない郊外は110km。
集落の前後は80km。
集落の中は60kmという制限速度で進んでいきます。
先ほどから名前の出ているミルデューラという町、
まずはここが第一目標地点です。
そして、2時間半ほどでミルデューラに到着。
1回休憩しておこうと、
この町のKFCへ。

ミルデューラは、緑の眩しい町で、思わず店内からパシャリ。
このKFCでは、スムージー・ペプシを注文。

機械の故障とかで、謎のオリジナルスムージーを提供されました。
気を取り直して、残り300kmの行程を走ります。
ミルデューラの町を抜け、
マレー川ともお別れ、
すると途端に、
「これがアウトバックなのかぁ!!」っていう風景に変わります。
対向車も途端に少なくなり、
30分に1台ぐらいの割合でしか、すれ違いません。
走ってると、心細く、寂しくなってきます。
この300kmの間に、町や村はおろか、
人の住む家らしきものも、結局見かけませんでした。
そして、途中で車を止めて写真撮影。

風の音、
そしてハエの羽音しか聞こえない世界です。
さらに進んで、
サービスエリアという休憩所。
荒野にトイレがぽつんと。

トイレに入ると、
トタン製のトイレの壁にたたきつけ、吹き抜ける風の音。
そしてハエの飛ぶ音。
それだけ。
先には、ずーっと一本だけ道が続いています。

陽も傾いてきたので、先を急ぎます。
そして、陽が沈むと同時にブロークンヒルの町に到着しました。
時刻は現地時間20時半。
現地時間と書きましたが、このブロークン・ヒルは、
シドニーと同じNSW州ながら、
南オーストラリア州のアデレードと結びつきが強いため、
シドニーやメルボルンのビクトリア州とは、30分の時差があるんです。
この町だけ。
そら、シドニーまで1100kmほどあるのに対して、
アデレードまで500kmですから、そうなりますわなぁ。
町について、すぐにホテルへチェックイン。
その後、ブロークン・ヒル駅に行ってみました。

壁の機関車の壁画がカッコいい。
この日、シドニーからの週1便の列車が到着する予定でしたが、
前日にシドニーからの山越え区間、
ブルーマウンテンの西側の路線が大雨で流出。
不通となって、
シドニーから列車は到着しませんでした。
1000km離れたブロークン・ヒルは、晴天なんですけどね…
数少ない列車を撮影できるようにと、
いろいろ考えて、日程を組んだのです。
翌日早朝の折り返しのシドニー行きを、
撮影しようと考えていたのですが…
残念。
このあと、まる2日間のブロークン・ヒル滞在です。
列車は少ないですが、意外と鉄分多めでした。
次回をお楽しみに。
全て2022年3月7日撮影
ブロークン・ヒルの旅まとめ
①メルボルン⇒スワン・ヒル⇒ブロークン・ヒル
②ブロークン・ヒル駅の朝
③ブロークン・ヒル郊外シルバートンなど
④ブロークン・ヒル郊外メニンディー湖へ
⑤メニンディーからの戻りの踏切にて
⑥スルファイド・ストリート鉄道&歴史博物館
⑦ブロークン・ヒル市内観光
⑧夜のブロークン・ヒル
⑨ブロークン・ヒル⇒ダッポー⇒シドニー
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