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ブロークン・ヒルから南東に約100km。

メニンディー湖畔へとやって来ました。



ブロークン・ヒルの町を出ると、

そこは相変わらず、荒野のアウトバック。

こちらの方面に延びるメニンディー・ロードは、

まっ平らな場所を走ることもあり、

直線区間が多く、

ついつい…

ふと速度メーターを見ると、

「新快速より早いやん。」

って

関西鉄ちゃんらしい突っ込みをいれつつ、

速度を自制、自制。

しかし、この車を軽々と追い抜いて行った、

地もピーらしき車はいったい…



そうしていると、道端に野生のエミューの群れが!

よく見みたいと、車を急停車させたところ、

後続の車が、

「何かあったのか?」と

心配して声をかけてくれました。

「あっ、大丈夫です。」と笑顔で回答。

心配かけてスイマセンでした。

人気がまったくないアウトバック、

前後何十キロも人家も無いところでトラブルになると、

大変なことになるのです。

携帯の電波も繋がらないところが多いので、

そのあたりの心づもりは必要ですし、

ドライバー同士の気遣いも必要です。

何もないアウトバックを車で走る楽しみの一つに、

対向車同士で手を挙げて挨拶する習慣があり、

これがなかなか楽しい。

前後、車が見当たらないような荒野を心寂しく走っていると、

対向車が来るのが嬉しくなるんです。

そして、さっきはエミューでしたが、

今度はヤギのグループが道路を横切っています。

そう、このアウトバック。

荒野、荒野と書いて、何もないように書いてますが、

実は巨大な放牧地帯。

ブロークンヒルの周りには、

羊が200万頭も放し飼いにされているのだとか、

因みにブロークン・ヒルの人口は約2万人。

人よりも100倍も羊が居るらしいのです。

ただ、今回はヤギばかりで、羊に出会う事はありませんでした。

何処にいるのだろう??



そんなこんなしているうちに、

約1時間弱ほどで到着しました。

場所は、

メニンディー・レイクス・ダム・ウォール。

ちょっと舗装道路から外れて、丘を越えると、

湖にたどり着けるお手軽な場所で、

上流の他の湖とを結ぶ水路の

堰が設置されているところです。



今まで、水気の無い荒野を走ってきましたが、

突然、水を満々と湛えた湖が出現しました。

どっからこの水が、来るのかと不思議。

シドニーやブリスベンの西に広がる、

大分水嶺山脈の内陸側の水を集めて流れてくる、

ダーリング川という川が、

このアウトバックの乾いた大地に、

水を運んでくるようです。

この乾燥地帯の水源地として、

人工湖として整備された湖の一つがこの

メニンディー湖で、

複数の堰で、

水量コントロールをしているそうです。

そして、

このメニンディー湖が最大の湖で、

この湖ができ、パイプラインが設置されて、

ブロークン・ヒルの水問題が、初めて解決できたのだとか。

湖を眺めると、
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枯れた立木が湖に呑まれています。

なんか不思議な世界。

乾燥期には、カラカラになることもあるようです。

日本人から見ると水が濁って、

汚そうに見えますが、

これがこの辺では普通。

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トップの画像と反対方向を望みます。

列車来ないかなぁと、

眺めてみますが、

気配なし。

湖の枯れ木越しに

夕陽を眺めるのにも良さそうですが、

まだ夕刻まで、時間があるのでパス。

湖を後にします。



次に

湖の名前にもなっている。

メニンディーの町へ向けて、

さらに15kmほど車を走らせてみました。

そして到着。

静かな小さな町でした。

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メンディー駅です。

この駅には週に1往復だけ列車がやって来ます。

前回のお話の通り、シドニー西方の水害で、不通区間があるため、

旅客列車が運休中です。

貨物列車も来る気配なし。



1927年に鉱山の町ブロークン・ヒルへ、

NSW州の1435mmの鉄道が敷かれたのは、

このメニンディーとブロークン・ヒル間が最初でした。

なぜこの区間なのか、

それはこの町からダーリング川の水運が利用できたからです。

ブロークン・ヒルは、

完全にアウトバックの中にポツンとできた鉱山の町です。

鉱脈には、川筋とかは関係ありませんから、

鉄道が発達するまでは、

川の水運は非常に重要でした。

川にさえ荷物を浮かべれば、

ダーリング川を遡ると、シドニーやブリスベンの手前まで、

また下流のマレー川まで出てしまえば、

アデレード方面やビクトリア州の州境までモノを運ぶことができますから。

また、ブロークン・ヒルの水確保は、

非常に重要事項で、

列車が走り始めた当初は、水も運んでいたそうです。


という訳で、

駅を見て、撮って、

相変わらず、何も来なさそうなので、

宿のあるブロークン・ヒルへと折り返しました。

全て
オーストラリア NSWブロークン・ヒル線メ二ンディー~ブロークン・ヒル間
2022年3月8日撮影

ブロークン・ヒルの旅まとめ
メルボルン⇒スワン・ヒル⇒ブロークン・ヒル
ブロークン・ヒル駅の朝
ブロークン・ヒル郊外シルバートンなど
ブロークン・ヒル郊外メニンディー湖へ
メニンディーからの戻りの踏切にて
スルファイド・ストリート鉄道&歴史博物館
ブロークン・ヒル市内観光
夜のブロークン・ヒル
ブロークン・ヒル⇒ダッポー⇒シドニー