2020年初夏、新型コロナウイルスの感染者数が一旦小康状態になっていたころ、私は病院の病室に居りました。生まれて初めての入院生活です。
新型コロナウイルスではありません。身体に異常は感じられないのですが、胆管に異常が認められるとのこと。入院初日に、それまでの他院での検査結果を見て医師から言われた言葉が、
「状況からして、ほぼ癌でしょう。手術の段取りまでしてあります。肝臓の一部と一緒に摘出します。」
自身の体の調子はいたって普通。癌と言われてももうひとつピンと来ないのですが、検査を進めて本当に癌なのかどうか徹底的に調べてもらうことになりました。
とは言うものの気になります。病室に持ち込んだPCで色々調べてみると、術後の『生存率5年で30%・10年で10%』…
まぁそこから色々考えますよね。時間もあるし、しんどい訳でも無いですし。脳は元気に動くんですから。
「自分があと5年生きるとして、何ができる?」「生きてきた証を残したい、何かないか?」
そこで思いつくのは、
根っからの鉄道好きなので、物としてあるのは大量の鉄道写真(あくまで趣味ですが)。
それくらいか?逆に仕事とかで何かないのか?…旅行業やサービス業をしてきた身としては、形としてはないよなぁ。
という経緯を経て結果、癌ではありませんでたぁ~。
「なんじゃい!!」という声が聞こえそうですが、結果として、胆管に炎症が起こる原発性硬化性胆管炎(PSC)という難病。
難病というと厄介なものに聞こえますが、患者数が少なすぎてよくわからないのが正直。ひょっとしたら5年後にはあの世かもしれないですし、長寿を全うするかもしれない。治療法もよくわからんので「今まで通りの生活でいいですよ。」とのこと。
まぁ、これを機に考えたわけです。
今まで撮ってきた写真は、プロの域には程遠いものの、それなりには人に見せられる自信は有る。じゃぁ自分らしい表現方法は何かないものかと。
そこで思いついたのが、このブログなのです。
たかが列車の写真一枚ですが、撮った時の思いは1枚、1枚あります。数十年前に撮った写真を見るだけでも、その時の情景、思いが思い出されます。
写真だけで伝われば、それが一番なのかもしれませんが、言葉を付けることで写真に深みを持たせる。そんな試みをしていきたいと思います。
男46歳4か月のこと
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