
↑シルバートンの町を横切っていた踏切跡。
ブロークン・ヒルから北西に25kmシルバートンという町があります。
廃墟の町と呼ばれている所です。
まずはそこへ向かう事にしました。
ブロークン・ヒルの街は、真四角が組み合わさった形なので、
四角の一辺を抜けると、
そこは突然、荒野のアウトバック。
そこから約30分ほどの道のりです。
町に入ると、廃墟と呼ばれるだけの雰囲気はあります。
例えば、

建物もまばらで、ここが町といえる場所だったのか?と思えるほどです。
実際に最盛期で3000名ほど住んでいたそうです。
今の定住者は50名(2016年現在)ほど、
なぜこの廃墟のような場所に、いまだに皆さん住んでいるんでしょうか?
町に点々とあるアートギャラリー、カフェ、ホテルといった観光関係の人たちです。
なぜ、こんな町に人が集まってくるのでしょうか?
この町一番の有名な場所はこちら、

映画「マッド・マックス」が好きすぎて、
「マッド・マックス2」の撮影地に、
イギリスから移り住んだおっちゃんがオープンさせた、
「マッド・マックス2・ミュージアム」。
「マッド・マックス」といってもピンとこない人もいるかもしれませんが、
「北斗の拳」の世界観にも影響を与えた映画とも言われています。
そう、この町は度々、映画の撮影地として使われてきた場所としても有名なのです。
最近??で、有名な映画といえば、
現在もシリーズが続いている、
「ミッション:インポッシブル2(M:I-2)」。
知っている人もグンっと増えるでしょう。
といっても、シリーズ2作目、
もう20年以上前ですけどねぇ。トム・クルーズもまだ若かった。
このように昔から、
いろいろな映画の撮影地となった場所なんですね。
そう、この町の入り口にある看板が、
現在のこの町のウリを現しています。

右から、映画の撮影地。
真ん中、機関車。
左が鉱山ですね。
となると、
残りの機関車(鉄道)と鉱山の説明をしないと…。
ただ旅行当時、予備知識も無く、
このシルバートンへ向かったので、
当日は疑問がいっぱい湧いてきていました。
かつて何だったんだこの町は??
そう、町に入る直前に、築堤を見つけたんです。
鉄道ファンがみると、「絶対、鉄道線路跡やろ!」っていうものを、


この町に入って、かつて鉄道が走っていたという案内盤がいたるところに、
やっぱり鉄道線路跡だったんだと確信。
ただ、レールとか残ってないの?
と思っていたのですが、
あった!!

帰り道にレールの残る駅跡を見つけました。
というわけで、ますます色々気になります
このシルバートンという場所!。
元々どういう場所だったのか、
帰国後調べてみました。
1875年この場所に銀鉱脈が見つかりました。
なるほど、だから「シルバー」なのですね。
そのため町ができ、一時は3000名ほどの住む町になったのですが、
鉱脈も尽き、お隣のブロークン・ヒルで、他の鉱脈鉱山が栄える始めると、
このシルバートンは、目的がなくなり衰退。
廃墟になってしまったという歴史なのだそうです。
そして、鉄道のお話。
銀が出たのはいいのですが、当然採掘した銀を運ぶ手段が必要です。
そのためにアデレード北方のポートビリーから鉄道が敷かれました。
シルバートンをめがけて、南オーストラリア鉄道が州境まで、
鉄道を敷いてきます。
このシルバートンは、
シドニーのあるニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州。
一方、アデレードは南オーストラリア州。
ただ、州境からは僅かに50kmなんです。
アデレードまで約500km、一方シドニーまで1000km以上。
そら近い港町まで運んだ方が、コスト的にもいいですよね。
そのまま南オーストラリア鉄道でシルバートンまで乗り入れるようにNSWに要求します。
だが、NSWがウンと言わず。
交渉は難航します。
結局、州境の町コクンバーンからこのシルバートンを経てブロークンヒルまで、
シルバートン・トラムウェイという私鉄が敷かれることになりました。
これが、この鉄道の路線跡なんですね。
この鉄道1970年に廃止となります。
理由は、このシルバートン・トラムウェイが1067mmの軌間だったのに対して、
大陸横断鉄道は1435㎜の標準軌で敷設されることになったためです。
この鉄道をそのまま改軌すれば良さそうですが、
州境からブロークンヒルへ直行する新線に変更されてしまったのです。
まぁ運ぶ荷物も無く、
人もいない廃墟へわざわざ迂回する必要もないですからね。
そういう訳で、
現在の廃墟シルバートンが完成した訳です。
そんなこんなで、廃墟探索を終えて、
ちょっとこの先に展望ポイントがあるようだと、
せっかくなので、寄ってみることにしました。
マンディ・マンディ・ルックアウトという場所。
シルバートンの先7kmほどのところに有ります。
ちょっとした峠があり、
この峠のピークを越える手前、
前方の視界は、
赤茶けた大地と青空。
そして道路の路面のみ。
その頂点を越えたとたんの絶景です。

これは感動モノでした。
何もない。
見渡す限り、平坦な地平線が広がっていました。
これは、
今までいろいろ旅してきた中でも感動トップ3に入る瞬間。
いやぁ、遥々来てよかった。
っと、
ここではまだ終わりません。
この日の夕方行った、
ブロークン・ヒル北郊外の観光地もご紹介しておきます。
天気も良いし、アウトバックに落ちる夕陽を見に行こうと、
ブロークン・ヒル公式観光Webページでも、
サンセットのお勧めポイントとして紹介されている、
リビング・デザート・ステイト・パークという
彫刻がある丘へ行ってみることにしました。
距離は町中心部から12km。
昨日から100km、50km単位で考えているので、
「めちゃくちゃ近いやん」って思ってしまう距離です。
時間を見計らって出発。
相変わらずブロークン・ヒルの街は、四角の一辺を越えた瞬間に、
荒野へと視界は突然変わります。
そこから10分ほど走ると看板が見えてきました。
そこを右折して入っていくと、
料金所が見えてきます。
陽気なオーストラリア人らしいお兄ちゃんが立って、
「6ドル」っと言ってきたので通行料を支払います。
さらに、続く道路を登っていくと、
山頂近くにパーキングが有りました。
山頂に到着すると、まもなく日没です。

これは感動モノでした。
何もない。
見渡す限り、平坦な地平線が広がっていました。
これは、
今までいろいろ旅してきた中でも感動トップ3に入る瞬間。
いやぁ、遥々来てよかった。
っと、
ここではまだ終わりません。
この日の夕方行った、
ブロークン・ヒル北郊外の観光地もご紹介しておきます。
天気も良いし、アウトバックに落ちる夕陽を見に行こうと、
ブロークン・ヒル公式観光Webページでも、
サンセットのお勧めポイントとして紹介されている、
リビング・デザート・ステイト・パークという
彫刻がある丘へ行ってみることにしました。
距離は町中心部から12km。
昨日から100km、50km単位で考えているので、
「めちゃくちゃ近いやん」って思ってしまう距離です。
時間を見計らって出発。
相変わらずブロークン・ヒルの街は、四角の一辺を越えた瞬間に、
荒野へと視界は突然変わります。
そこから10分ほど走ると看板が見えてきました。
そこを右折して入っていくと、
料金所が見えてきます。
陽気なオーストラリア人らしいお兄ちゃんが立って、
「6ドル」っと言ってきたので通行料を支払います。
さらに、続く道路を登っていくと、
山頂近くにパーキングが有りました。
山頂に到着すると、まもなく日没です。

これ以外にも色々彫刻があります。一番有名なのはこれみたいです。

シルバートンの町からも見えていたシルバートン風力発電所。

そして、
アウトバックの山の向こうに、
大きな夕陽が落ちていきました。
あともう一つです。
夜、
今度は月が沈むのを待って、
町の外に車を走らせました。
ブロークン・ヒルの鉱山や工場は24時間操業なので、
けっこう街明かりが、明るいのですが、
街明かりが見えなくなる場所を見つけて、
車を路肩に停めます。
そして、ライトも車内灯も、全て消して、
車外へ。
そして、空を仰ぎ見ると、
満天の星空。

画像だと伝わらないのが残念ですが、天上に横たわる天の川。
南半球の夜空は、北半球よりも星の数が多いのです。
しかも光にあまり邪魔されない条件。
月が無く、人工の明かりもほとんどない状況で見る夜空は、
気持ち悪いくらいの満点の星空です。
星が多すぎて、星座がよくわからないくらいです。
画像中央ちょっと右に写っているのがオリオン座ですが、
このiphoneで撮った画像でさえ、
星座の真ん中にあるプレアデス星団を写しています。
因みに下の方のぼーっとした明かりは、
丘の向こうから車がやって来ているライトの明かりです。
最初、ブロークン・ヒル行くのはいいけど、
何を見たらいいのかよくわかっていなかったんですが、
いやいや、素晴らしいところですね。
ずっと住むのはちょっと遠慮しますが…
全て2022年3月8日撮影
ブロークン・ヒルの旅まとめ
①メルボルン⇒スワン・ヒル⇒ブロークン・ヒル
②ブロークン・ヒル駅の朝
③ブロークン・ヒル郊外シルバートンなど
④ブロークン・ヒル郊外メニンディー湖へ
⑤メニンディーからの戻りの踏切にて
⑥スルファイド・ストリート鉄道&歴史博物館
⑦ブロークン・ヒル市内観光
⑧夜のブロークン・ヒル
⑨ブロークン・ヒル⇒ダッポー⇒シドニー
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