

写真を始めて間もない頃なので、列車の配置など細かいことは置いておいて、
1987年7月信楽線廃止記念列車です。編成写真を撮ってませんが、
編成としてはこのEF58 150+オハ33+オハ46+マイテ49という、
今となってはとんでもない編成でした。
といっても当時としても眉唾物の編成で、
ご覧の通り鉄道ファンが押し寄せております。
今も昔もファン行動は変わっておりません。
むしろ今のファンの方が、白線の内側でちゃんと撮影するなど、
守っているのではないかという気もします。
ネットやSNSを見ていていると、今の若いファンはなっとらん!
というご意見が散見されますが、
昔から一緒という事が、この写真からも分かります。
昔は線路内でも撮影してもそれほど厳しくなかった時代もありますし、
緩かったということもあるのでしょうが、
我々が若い頃から鉄道ファンの行動は、何も変わってないように思えます。
近年のSNSでの情報拡散の速度が異様に早くなったことが手伝って、
鉄道ファンの悪い行いがすぐ世間に広まってしまうようになりました。
撮り鉄を公言している身としては、ファン心理というのも良く分かります。
ただ、このままだと、さらに鉄道ファンというイメージ悪化、
鉄道ファン=頭悪いどうしようもない悪い集団、
という世間のイメージがどんどん強くなる一方です。
私が若かりし頃、社会に出て旅行業界に入り、
新人の頃は勉強も含めて添乗員の仕事をよくしておりました。
旅行業という業界は非常にクレームの多い業種です。
理由は、ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、
旅行会社の作ったパンフレットを見て、
勝手にお客様がイメージした旅行に対して、旅行会社がお代金をいただくという点が、
クレームに結び付くケースも多いです。
手配ミスや直接お客様に危害があったという例はもちろん、
旅行業者の非となるところですが、
楽しいウキウキ旅行イメージMAXで申し込んで、
行ってみたらイメージが全然違ったっていうクレームも多いのです。
そのため旅行パンフレットの表記は法令的に厳しく規則が決まっており、
旅行会社が、盛りに盛ってイメージを良くし「それ嘘やろ!」
っていう旅行商品を販売することに国が厳しく対応する反面、
旅行会社が理論武装して、
「こうやって書いてあるでしょ!」と悪質クレームから身を守るという一面も持っています。
それだけクレームが多いのです。
添乗に行っても確かに、いろいろなお客様より、なんか違うというお話を受けることも多々あり、
色々と対応してまいりました。
そんな中で、ほとんどクレームが出ない種類のツアーがありました。
しかも、ツアー終了時にはみんな添乗員も含めて、和気あいあいと帰ってくるのです。
それは登山ツアーでした。
入社した頃に、ちょうど中高年の登山ブームに当たり、
若い新入社員が登山ツアー添乗に駆り出されて、一緒に頂上を目指したのです。
お陰で富士山は計8回かな?制してますし、所属していた中国地方を中心に、
大山や石鎚山、さらには九重山や白山、木曽御嶽山などなどお客様と一緒に登ってきました。
私的な感覚かもしれませんが、
登山をする人たちは基本温厚な方たちが多いような気がします。
それはなぜ?って思い、いろいろ考えたのですが、
おそらく自然が相手で、
人間がどうしようとも自然に抗えない事があることを、
身をもって知っているからではないでしょうか?
やっと取った休日に登山に出掛けたが、
悪天候のため現地で断念っていうのはザラでしょうし、
断念、諦める術をみなさん身に着けているのです。
しかも山を愛する人たちは皆仲間っていう精神もいいですよね。
登山道では必ず挨拶を交わすっていうのは、ちょっとでも登山をした人ならご存じでしょう。
では、鉄道ファンに置き換えてみましょう。
皆さん我先にと競い合っている感があります。
自分さえ良ければ!ってなっていませんか?
鉄道写真も外での活動が基本です。
天気にも左右されますし、時には他の列車が予想外に被ることあります。
行ってみたらポイントを先取りされて、撮れなかった。
カメラ構えたたら、駅員さんからここダメですよって不意に言われることもあります。
そういった不可抗力な事の起こる業界なんですが、
山を目指す人たちと違い、ギスギスしてるんですよね。我々って。
残念と思う気持ちは登山をする人も、撮り鉄も同じ人間なので、変わらないと思います。
ただ、「まぁそういうこともあるさ。」と思える心のゆとり、
これを鉄道ファンは忘れている人が全員とは言いませんが、
多いのかなと思います。
各鉄道ファン、特にやり玉に挙げられている私も含めた「撮り鉄」の方々。
SNSで「そんなマナーを守らない輩はけしからん!俺はちゃんとしてるよ!」っていうノリではなく、
皆で鉄道ファンのイメージアップのため各個人で、気を付ける行動を心がけていきましょうよ。
私が思うには、そのための第一歩
それは「挨拶」。
各撮影地で無言で各自やって来て黙々と撮影して、
列車が通過したら無言で解散という状況が多いですよね。
挨拶一つで、弾む会話も増えて楽しく過ごせるのではないでしょうか?
学校でも、社会に出ても挨拶は基本中の基本です。
挨拶から始まる会話、そして鉄道写真独特のルールやマナーの共有。
また忘れてはいけないのが、
鉄道会社あっての鉄道写真ですので、鉄道会社の好意により撮らせていただいているという認識。
そういうことを話すきっかけになる挨拶運動をしていきませんか?
まだまだ言いたいことはあるのですが、まずは「挨拶」これから始めましょうよ!
ちょっとした心がけから、鉄道ファンのイメージを良くしませんか?
長々となりましたが、NOBA seaからのご提案でした。
東海道本線京都 1987年7月12日撮影
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